「海棠の歌」
(「海棠の歌」・60×180cm〈本紙〉・2011)
姿やさしい海棠の
花につれない夜の雨
あらしになったらなんとしょう
乙女心をそのままに
今日もあの日の夢に咲く
かなしいわかれじゃないかしら
雨は涙か引く糸か
花を見せたい人は来ず
逢わずに散ったらなんとしょう
(時雨音羽「海棠の歌」より)
[『増補日本歌謡集』時雨音羽編著 現代教養文庫]
*
何となく口ずさみやすいリズム。
ノスタルジックな空気。
可憐さを連想させる言葉選び。
そういったことを気に入って
きっと覚えてしまっていたのだと思います。
時雨音羽のこの詩を。
いつか・・・と思って書き留めていた
ノートの中から一遍の詩がようやく書作品になりました。
紙面の広さや構成の都合上、
一部を抜粋しての作品になりましたが
好きな詩を綴るというのはとても幸せな時間でした。
表装ができあがった瞬間にまた
客観的な反省点が出てくるのも常のこと。
今一度、もっと魅力的な線で綴れたらと思う詩でした。
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