「五人の賢者は昼と夜との境を語る -闇、光、日、月、そして-」
(「五人の賢者は昼と夜との境を語る -闇、光、日、月、そして-」・180×60cm×4枚・2009)
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五人の賢者は昼と夜の境を語る。
一人は言う。
「それは闇だ」と。
別の一人は言う。
「それは光だ」と。
また別の者は言う。
「それは太陽だ」と。
もう一人は言う。
「それは月だ」と。
─そして、最後の一人が口を開く。
「それはその全てであり、そのいずれでもない」
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夕焼けの色を見ていてふと思った。
夜と昼との境はいつ来るのだろう。
どこにあるのだろう。
答えがあるなんて思っていない不可思議な疑問が
心を捉えることもある。
たとえ賢者たちが頭を寄せ合ったとしても、
答えが見いだせるわけではなく、
答えを出すべきでもないことが。
そんなふとした思いから、
2009年最大級の作品が生まれたりもした。
書という表現方法は文字を書くということから
離れては生きていけない。
でも、そこに書いてある文字以上の
物語を内包させることが出来たら、
表現としてのさらなる可能性が
見えて来はしないだろうか。
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