「蝶のメタモルフォーゼ」
(「蝶のメタモルフォーゼ -Ver.Black-」45×35cm・2枚組・2008)
********************************
私は己が全てで地を這っていた。
全身をくねらし
ひたすらに前へと。
私は自らを閉ざしていた。
全身を殻に覆われ
いつ終わるとも分からない眠りの中に。
そして私はいつしか羽を得た。
地を離れ空へと向かう。
高く。そして遠く。
―目が覚めた。
ああ、私は夢を見ていたのか。
それとも。
ふと見ると、そこには地を這うものがいた。
(―『荘子』斉物論「胡蝶の夢」よりの連想その一―)
********************************
蝶という実体から蝶という文字へ。
そこにもまた別のメタモルフォーゼがある。
0コメント