「かみなりうつりゆく山のふかみどり」
(「かみなりうつりゆく山のふかみどり」・148×100cm・2015)*かみなりうつりゆく山のふかみどり 山頭火***雲がたれこめ暗くなった世界に天から矢を突き刺すような稲光。そして、天地を引き裂くような雷鳴。強烈な光を得て、黒々とした世界に山の稜線が深緑色に浮かび上がります。こちらの山から、あちらの山へ。天地の誕生を思わせる、怖ろしくも壮大な光景。雷は夏の季語。古代から日本では、雷が落ちることで、稲に実が入るのだと信じられてきました。稲に命を宿すと信じられていた強烈な光。雷は生命の光。***今年の夏のお礼状は山頭火のかみなりの句にしました。「み」の文字は、雷の形態に準えたかのように敢えて変体仮名の「三」を。深い深い緑色の紙に閃光のような金泥を使い、稲妻をイメージして、鋭く力強い筆致を目指して。
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