お稽古ヘルプ 【墨を摺る】

【墨を摺る】大人のお稽古で、ぜひしてほしいことが、"墨を摺る"ということ。小筆を使うときにはぜひ墨を摺ってください。墨液よりも伸びが良くて書きやすく、また筆の寿命も違ってきます。墨の良い薫りが気持ちを落ち着かせてくれる効果もあります。(大筆を使うときには摺るのにかなり時間がかかるので墨液を使用してかまいません。)《墨を摺るためにまず知っておくこと》硯には"海"と"丘(陸)"があります。(海は墨を溜めるためにくぼんだところ。丘は高く平らになったところです。)墨を摺るのは丘の部分です。丘を広く使って、大きくゆったりと円を描くように摺りましょう。(細かくきしきし摺るのではなくって。)
《墨の扱い》墨は、写真のようにまっすぐ立てて掌で安定させ、摺っていきます。(墨の面が、ピカッと光るくらい平らにすり減っていくように。 あっちこっち傾けて摺ったところが丸くなるのは良くないです。)墨を持つ手の重さをそっと載せて摺る感じです。(力いっぱいゴリゴリはやめてね。)墨は、一旦濃く摺ってから水を足して調整する方が美しい墨色が得られます。(小筆のお稽古なら丘にごく少量、100円玉大の水を落として摺り、調整するくらい。)摺ったあとの墨は、硯の上に置いたままは絶対だめ。摺った面を拭いて、墨床の上に置きましょう。(なければ墨の箱に掛けて置きましょう。)カビや割れの原因になるので、濡れたまましまうのもタブーです。
あ、あとごくごく稀に墨が入ってた桐箱を捨てちゃう人がいますが、あれは品質保護のための大事な箱だから、ちゃんと使ってね。(しまうときには桐箱に入れて。)《硯のお手入れ》使った後の硯はできれば毎回洗いましょう。硯の丘の部分に水を加え、指で墨を溶かし出すようにすると綺麗に拭き取りが出来ます。あ!くれぐれもたわしやスポンジで洗わないように。手で洗うか、柔らかなガーゼや脱脂綿を使うのがベターです。

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