オルガン箪笥
ここ半年くらい、ぼんやりとアトリエの修繕をしたいなーって思ってたんです。亡くなった祖父母が暇つぶしに文具店を営んでた店舗を片づけてそのまま使ってるんですが、少し傷んできてるところがあって。棚とかもお店仕様のスチール什器をそのまま使ってるんですがなんせ雰囲気がない。「あのスチールの什器、退かしたいなー」ってつぶやいたら母が「あ、じゃあ、蔵の中にある古い箪笥捨てて、その什器を変わりに蔵の中に置いたら片づけがしやすいわ、あれ、使えないんだもの」って。ん?箪笥?捨てて? そんなの、あったような、なかったような・・・って見に行ったら
ぎゃーーーー!これ、捨てちゃだめ!・・・母、危険すぎる。引き出しどれもちゃんと開くし、中は綺麗なモノだし、作りも凝ってるし。湿気や温度変化を嫌う仮名用の料紙を仕舞っておくのに、これほどぴったりなモノもないってば。サイズも充分。しかも引き出しの一つは、閉じるときに「ファーーー♪」ってオルガンそっくりの音がするの。これはもしや、あの「オルガン箪笥」っていうものかしら。いや、灯台もと暗しってホントにこのこと。聞けば曾祖母の箪笥だそう。いつも何かしら手を動かしてるような手まめな曾祖母で、幼い頃の私は、膝の上に座ってじっとその手作業を見てるのが好きでした。膝の上で一緒にみかんを一房ずつ「はい、どうぞ。」ってしてたり。いまでもツルツルになるくらいみかん剥いてしまうのは曾祖母が私にしてくれてたことの名残じゃないかなぁ。これはいよいよアトリエの修繕、しなきゃ。ひいおばあちゃんのオルガン箪笥、アトリエで使うために。
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