水玉あたり
久々に見た彌生さんの個展。
もう6,7年も前になるでしょうか。
初めて「草間彌生展」に行った時のことを思い出します。
その時の私は、「直島のカボチャ」くらいしか知らなくて。
そして、直島のカボチャは瀬戸内の穏やかな海と陽光の中で
ちょっとユーモラスと言っていいような表情を見せるものだから。
初めて足を踏み入れた個展会場で
大量に幾部屋も幾部屋も増殖する作品群に圧倒され、
「湯あたり」ならぬ「水玉あたり」みたいな症状に陥って
暫く動けないくらいぐったりしてしまいました。
今回の展覧会では
当時よりも年を重ねた彌生さんが、
やはりその生命を吐き出し続けるように作品を生んでいて。
「さしすせそ」の発音が「しゃししゅしぇしょ」に近くなって
すこし意識の焦点をぼんやりさせると
フランス語っぽく聞こえる独特の肉声で朗読した
自作の詩も聞きました。
少し震えるその声は
子どものように真剣な声でした。
心の準備はあっても、
やはり今回も「水玉あたり」はあったようです。
ああ、頭がくらくらする。
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