犬島上陸。

今日犬島へ言ってきました。
アートの好きなそこのあなた、そう、あの犬島「精錬所」です。
http://www.inujima-ap.jp/jp/top.html
ベネッセグループが仕掛ける犬島アートプロジェクト第一期、
今年オープンした新プロジェクト。
夏から「行きたい!行きたい!」言ってたんですが、
昨年(精錬所のオープンより前に)、
犬島へ出掛けて熱中症にかかり
違う世界を垣間見たこともあって
周囲から「あなたは夏に行くべからず」というお達しが出ておりました。

三分一博志の建築
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岡山大学環境理工学部のバイオ・ジオ・フィルター
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柳幸典のアートワーク

今回のアートプロジェクトは、
そういう三者のコラボレートでできています。
建築と、環境と、現代アート。

直島とかに行ってもそうなのだけど、
ベネッセの作るアートスポットは
アートがちゃんと自分の足で立ってる感じがする。

柳幸典のアートワーク、
中でも三島由紀夫をバックボーンにした作品作りとかはね、
決して悪くないんだけど、
正直、三島由紀夫であることの必然性が
今ひとつ分からなかったんです。
いや、三島であることの必然性というより、
三島をバックボーンにしたときの、
その表現の必然性と言った方が正しいかしら…。

私が三島をバックボーンにした作品を作るとしたら、
あの強烈で圧倒的な日本的美意識を
どう反映させるだろう。とか考えてしまいました。

ただ、作品にバックボーンとか、コンセプト、
ストーリーを作るというやり方自体は好きだし、
やっぱり必須だなと再確認。

こういう場所に来ると、
自分の作品作りのあり方についても、
たっくさん刺激をもらえるから好き。

実はこの「精錬所」で私にとって何よりカッコよかったのは、
"カラミ煉瓦"。



ここ「精錬所」の遺構を構築する煉瓦です。
銅の精錬過程で発生する鉱滓からできた煉瓦で、
独特の赤黒さと、荒々しい質感を持ってます。
かっちょええー。

ここ、ホームページで確認したときは撮影不可になってて
油断してしまったんですが、
実は屋外写真撮影可能で、
一眼レフ持っていけば良かったなぁ…と悔やまれます。

この煉瓦を使った大きな遺構が、
このアートプロジェクトのベースになってるのですが、
その遺構がいちいちかっこいい。

朽ちた煙突。
廃墟になった教会のような発電所跡。
クレタ島の迷宮、クノッソス宮殿を思わせるような
入り組んだ壁面。

アートプロジェクトが始動したお陰で
この遺構が確実に後世に残されるというのは、
なによりの功績だと思います。
本当に。

ありがとうベネッセ。ありがとう稼ぎ頭のしまじろう(笑)




     *


そうそう、今回「精錬所」を案内してもらうための
グループで一緒になったご家族が
たまたま「犬島再発見の会」代表の在本さんご一家。
「犬島ものがたり」という本の著者でもある人。

いろんな犬島の歴史とか、
「浮島」という島が浮き上がって見える現象のこととか(この日、見えた!)、
ここ犬島の石が、岡山城や大阪城、
そして北海道にある、あのイサムノグチのモエレ沼公園の
石垣として使われていること、
いろんな話を聞けました。

嬉しいご縁。ふふふ。良かった☆

Atelierすゞり

美しい文字を。 美しい時間を。 美しい空間を。 The official website of Ayami NAKAMURA  [Atelier Suzuri]