「備後国府展」 於恋しき



明日から、恋しきで「備後国府展」が開催されます。
http://koishiki.shinlog.jp/koishiki/2008/11/post-a204.html

今から約1300年前に、備後を治める国府(政府の出先機関)が、
府中市にあったということを証明する出土品が多く見つかり、
今回の展覧会ではその出土品などを展示するそうです。

府中市って石州街道沿いにあって、
いろんな文化が行き来した要所だったから、
今でも文化的な建物などがたくさん残っているんですが、
そんなに古くから栄えた街だったんですねぇ。

そういえば先日、イベント「恋しき月夜」で
私が揮毫した歌は、万葉集の月と恋の歌。
万葉集はちょうど備後国府が府中にあった奈良時代の歌を中心とした歌集。
こうして連鎖するような内容になったことは
ちょっとうれしく思います。


そうそう、今回の「備後国府展」には
私もまた作品をご依頼頂いて展示しています。

百人一首の中より、
天元五年(982年)に備後介に補任された藤原実方と、
治安三年(1023年)に備後権守に補任された藤原定頼という
府中に縁のある歌人の歌を。



 かくとだにえやはいふきのさしも草さしも知らじな燃ゆる思いを(藤原実方朝臣)

こちらは、かるたのように上の句下の句に分けて色紙散らしの雰囲気で。



 朝ぼらけ宇治の川霧たえだえにあらはれわたる瀬々の網代木(権中納言定頼)

こちらは扇面仕立てにして。

初めは"調和体"という読みやすい字体で書こうかと思っていたのですが、
「平安の趣を出したい」という主旨など担当の方と話して仮名書きに。

この写真は、書き下ろし状態のものですが、
会期中は二首ともぴしっとパネルに表具して会場の装飾に使われています。
全紙サイズ(135×70cm)を二枚分。割と大きめです(笑)
展示物と一緒にちょこっと見て頂けたら嬉しいと思います。

今月22日まで。ぜひ足を運んでください☆

Atelierすゞり

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