ヘアドネーション
「柴崎コウにタッチの差で先越された!!!」って言ってたら「だれと張りあっとんの。」と、弟から冷静なつっこみ。この一年周りの人たちに、「年末にばっさり切って寄付(ヘアドネーション)します!」宣言を繰り返してきましたが、とうとう断髪式を執り行いました。
「61cmだったっけ?」と真顔で聞いてくる美容師。10年以上知ってるけどこの人、これがボケじゃなくて素だからコワイ。それ、仕上がりが五分刈りになるがな。必要なのは、31cm以上の長さ。小児ガンなどの治療でかつらが必要な子どもたちのウィッグを作るのに必要な長さです。「P&Gのコマーシャルくらい長さあるよー(笑)」と言いながら写真撮ってくれた。
"今から切るぞ"っていう写真らしいよ、これ。(笑)切るときに3カ所をゴムで縛ってからハサミ入れてもらいます。
「余裕もって31cmあるよ」と並べてくれた髪の毛。ひょー。自分の髪の毛がこんな風に陳列されたの、初めて見た。変な感じ。これを梱包して、ここに送ります。Npo法人 Japan Hair Donation & Charityhttp://jhdac.org/about/寄付(ヘアドネーション)の話をテレビで見たのは1年ほど前。いつも2年くらい伸ばしては肩上くらいまでバサっと切ってたのですが、それはちょうどその2年目くらい。切ろうかなぁとぼんやり思ってたくらいの時期。小児ガンの治療のためにウィッグが必要で、それが今とても不足している、という内容でした。ガンの治療のため、と聞いて思ったのは、その前年にガンでなくなった人形作家の田村陽子さんのこと。小児ガンではないけれど、まだ若いアート仲間がいなくなるというのはショックの強いことでした。彼女の治療中、ヨシダコウブンさんとギャラリークロノスさんが声かけをしてくれて治療費の一部に当ててもらえたら・・・と皆で展覧会を開きました。こういう時、歯がゆい思いを抱えたまま何も出来ないより小さな事でも自分にも何か出来ることがあるのは祈りのように心を穏やかにしてくれる気がしました。寄付の話を見たのは、その陽子さんの一周忌を終えたあと。このまま伸ばしてみようかな。そうして髪を伸ばしている時間もまた、ちいさな祈りの時間だったのかもしれません。***ばっさり切ったあとは、丁寧に整えてくれて、ショートボブくらいになりました。「ウィッグ一個に20人分くらい要るんでしょ、 そしたら、これ時期的に、柴崎コウの髪の毛といっしょのウィッグになるかもしれんねー」おっ!良いこと言う、美容師。なんか、それ、ドキドキする。
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