「パウル・クレー だれにもないしょ。」展

神戸出張の隙間時間に、「パウル・クレー だれにもないしょ。」展へ。私にとってクレーと言えば、谷川俊太郎。二人の絵と詩とが、ある意味、例の"光悦と宗達"に匹敵するくらいぴったり来てしまった、『クレーの絵本』、『クレーの天使』(講談社)のことが真っ先に思い浮かびます。ただ、無垢なのではない、ただ、純粋なのではない、ただ、無邪気なのではない、ただ、かわいいのではない。子どもっぽいものと、子どもに伝わるものとはイコールではない。命や、ひとの持つ不完全さや、垣間見てしまった暗い淵や、遠くに見える光に、決して流行りの"how-to"では得られない不器用な足掻き方でぶつかって行った者だけが見せてくれるきらめきのようなもの。それが、この人たちの作品にはあるような気がするのです。クレー展、いい展覧会に行けたなあと思います。祈るように、作品に対面できました。*********「パウル・クレー だれにもないしょ。」展2015年9月19日(土)-11月23日(月・祝)兵庫県立美術館http://www.artm.pref.hyogo.jp/exhibition/t_1509/*********そうそう、そしてね、実は今月、谷川俊太郎さんご本人にも会えちゃうのです。なんて、ステキな巡りあわせ。

Atelierすゞり

美しい文字を。 美しい時間を。 美しい空間を。 The official website of Ayami NAKAMURA  [Atelier Suzuri]