千葉尚実 ・ HANNA 展 「図と地の温度」

高松市塩江美術館で開催中の「千葉尚実 ・ HANNA 展 『図と地の温度』」にやってきました。温泉地の隅っこに現れる不思議な美術館。扉を開けて光のなかに踏み込みます。HANNAさんの映像作品はいくつもの光が混じり合っていてその中をゆっくり巡るように進みます。映像のバックボーンに知性がきらきらする感じがステキ。映像そのものを観ていて、ふと振り返ると観ている自分たちの影がその中に映っていて、まるで物語の一場面に紛れ込んだようになっていたのも不思議な光景でした。
その奥に現れる千葉さんの墨一色の世界は、独特の温度があってついニヤッと笑ってしまいます。上の写真は『卒業アルバムから』という作品。一つの卒業アルバムから生まれたたくさんの顔はどの顔も千葉イズムというか、千葉さんの統一された表現の中にありながら、「ああ、ああ、こういう人居たよね」と、見る側の個々の記憶にもリンクする感じ。現に、「あたし、中学の頃こんなだった」、「あたし、これかも」みたいな話出るし。あ。千葉さん本人がどれなのか結局教えてもらいそびれちゃった。塩江温泉まで来ながら、温泉にも入ってないけれど、面白かったなー。この展覧会。ゆるゆると頭に刺激が広がってきている感じがします。

Atelierすゞり

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