「一灯を消せば雪ふる夜の国」

(「一灯を消せば雪ふる夜の国」・148×100mm・2014)*一灯を消せば雪ふる夜の国   加藤楸邨***ここ数日キンと音がするほど冷え込むようになりました。北の山では雪が降っているそうです。この冬は、楸邨の句を。「一灯を消す(一つだけ点った灯りを消す)」という行為は、それだけで眠りに落ちる前の時を思い起こさせます。夜の底にただ一つ残ったその灯を消してしまえば、その瞬間に世界が切り替わる。それは単純に"暗闇になる"というものではなく、それまでは小さな灯り一つあるために感じられなかった雪の白さ、雪の降る気配、そういうものが急に浮かび上がって感じられるそんな瞬間なのではないでしょうか。***ミッドナイトブルーのコットンパルプに金泥で光を添えて。

Atelierすゞり

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