「月に柄をさしたらばよき団扇かな」

(「月に柄をさしたらばよき団扇かな」・148×100mm・2014)*月に柄をさしたらばよき団扇かな  山崎宗鑑***今年の夏のお礼状は宗鑑のこの句にしました。月と言えば秋の季語でもあるけれど、わざわざ「団扇」と連想するこれは夏の句。暑い夏の夜。月の光のなんとひんやり涼しげなことよ。あれに柄を指したらきっとステキな団扇になろう。それは比喩と言うよりも、ファンタジーに近い発想力。奔放なおかしみを持った句だなぁと思うのです。日本人は夏の盛りに"涼しさ"を求めそれを単純に温度としてだけではなく聴覚や視覚によって得るという豊かな発想力を培ってきました。この句にはそれが豊かに感じられるように思います。*ごくごく細く金の月を入れて地上からそれを見上げるような散らし書きで。

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