「水打て石灯籠の雫かな」

(「水打て石灯籠の雫かな」・2013)水打て石灯籠の雫かな  子規*暑い中だからこそ、水を打つことが涼をもたらします。庭にさぁっと水を打つ。石は水を受けると息を吹き返したような色を見せます。打ち水が起こすかすかな風。その風を感じさせるような句をかすかな水紋の入った紙に。石灯籠から落ちる雫をイメージしながら構成を決めて。***6月は、仕上げたい作品が山ほどあって、生徒に仕上げてもらう作品も山ほどあって、もちろんずーっと書いていたのですけど、書くということがあまりに日常でここに記事書くという意識がなかった気がします。日常的なことほど、意識しないと文章化しなくなるんだ・・・。と、改めて思います。さて。締切のあるものがいくつか済んだので、夏のお礼状を書いたりしています。そもそも、こういうふとした時に誰かに送るものが筆で書けたら良いなぁと思って書道をはじめたのだから、書の仕事が忙しくってお便りさえ書けないという状況は私にとっては恐るべき矛盾みたいなものでジレンマのようなもので。大切な人たちへ向けて言葉を選んで、紙を選んで、筆を執る。そんな時間は忘れたくないなぁと思うのです。

Atelierすゞり

美しい文字を。 美しい時間を。 美しい空間を。 The official website of Ayami NAKAMURA  [Atelier Suzuri]