テマヒマ展
読売書法展の東京展には出席したしたんですが、今回、東京行きのメインイベント(あれ?)が21-21designsight で会期最終日だった「テマヒマ展」。(あ、ちなみにトゥーワントゥーワンデザインサイトと読むそう。 私、読めんかって、受付のお姉さんに「読んで下さい」って頼んだの。笑)
http://www.2121designsight.jp/program/temahima/index.html映像と展示とで構成された内容なのだけど、東北の風景と東北の職人さんたちを写した映像は、テレビのドキュメント映像とはまた違う、N●Kの高級テレビカメラを、アーティストが使うとこんな映像が仕上がるのかなって思う透明感のある映像で。手仕事から生まれる美しいリズムと、それを際だたせるためにきっと意識的に取り込まれた、「しん」という音がするような静寂。その映像の後に展示室に入ると映像の中でその生まれる過程を目にしたモノたちが美しい規則性を持って並びます。私、あんなに「焼麩」とか「リンゴ箱」がかっこよく並んでるの、初めて見た。けっこう衝撃です。「見せ方」というものの大切さってあるよね。それは"人にどう伝えるか"ということだもの。どんなに素晴らしいことでも、ただ放って置いて伝わるかというとそうではないし。「素晴らしいんだから解れ」という傲慢な態度ではいけない。ほら、この展覧会、テーマからすると、一歩間違えたらデパートの「東北物産展」になりかねない内容でしょう。でも、全く違う。「東北物産展」がいけないというのではなく、一流のアーティストと呼ばれる人たちの「伝え方」をもってすると、ここまで人や物が美しく、時にポップだったりしながら印象的に伝えられるんだなぁって。こんな伝え方もあるんだなぁって。芸術というのは、一種の"昇華"という作業だと私は思っていて、実用・日常・普段のものそのものではなく、その上澄みを掬うようなものだったり、一番核になる部分を抽出したり、そんな中から生まれてくるのだと思うのです。「物産展」でないというのは、その日常から昇華させる、つまり、上澄みなり核なりを提示するためのフィルターの通し方が絶妙だったということ。残る印象が、とてもすがすがしい。今回の東京行き、この展覧会大当たりでした。それを、大好きな東京の友人たちと見に行けたことも。
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