「王朝文化の華 陽明文庫名宝展」
ゴールデンウィークお出かけスペシャル、その4。「転んでもないのに、ただでは起きないわね。」と母。「役員会があって、須磨まで行くから、ついでに京都行って来るねー」という私に「それってホントについで?(笑)」と笑ってました。そうねー、役員会がある度に何か別のお出かけを企画してるかも。そして今回のメイン(?)はもちろん「陽明文庫展」!一昨年の「冷泉家展」も大興奮だったけど、こちらも期待大。目指せ、国宝「和漢抄」!見たいぞ、国宝「御堂関白記」!そして、毎度のことながらお公家さんの宝物には「こんなものまで!」とつっこみ入れたくなるようなびっくりグッズもあるはず!
「和漢抄」の様々な唐紙をつなぎ合わせた美しさ、墨の美しさ、かな・漢字その双方の美しさは、期待に違わぬもので、質感までも感じられる近さで目にできたことに感動。「大手鑑」は、見事なコレクションで、何より藤原佐理の手に驚き。なんせ、反省文や詫び状以外(笑)の佐理ちゃんの書を見たのは初めてだったものだから。ほんとに麗々しいんだもの。私は詫び状より、今回見た大手鑑のほうが断然好き。「御堂関白記」は、日記といっても、まあ、ざっくり言ってしまえば"おじさんの日記"ですし、ヒミツめいたことが書いてある訳でもなく当然歴史的政治記録ですから、読んで面白いとか、書として優れてるとか、そういう感じではなく…。ただ、歴史的なその出来事が目の前に記してあるという静かな驚きとか、ははーん。日記ってそういうシステムになってるのね、という小さな発見がたくさんあったりとかそういったことが楽しく思えました。あと、近衛家煕さんの書画作品群や茶杓コレクションも圧巻だったなぁ。そうそう、毎度の「こんなものまで!」は牛車の仕様書と、銀細工のお雛道具。人間が作ったとは思えないほど細かな細工。…あれ、ほんとにこびと職人がいたんじゃなかろうか。こういう展覧会は大まじめに感動したり、大まじめな展覧会だからこそ満載のつっこみどころに茶々入れたり、小さな発見を喜んだり、本当にイソガシイ。そして何より、世の中には、自分の想像を超える美しいものがあり、自分の想像を超える長い歴史をもつものがあり、それらが時を越え、人の手を経て、目の前にあるという感動。そういうものをたくさん知りたい。そう思うのです。それは自らの驕慢を戒め、美しいものに対して真摯であることを教えてくれるものでもあるのだから。
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