長谷川等伯を横目に見ながら

長谷川等伯でごった返す智積院を横目に見ながら、
五条坂手前のバス停で下車。

ここ数年、行きたい場所リストにずっとノミネートされてたうちの一つ。

「河井寛次郎記念館」

濱田庄司と同時代の"陶芸家"として超有名な人ですが、

ここ行くとびっくりします。



 まずは、人の少なさに(笑)

 そして、手を触れられるということに。

 そして、陶器のみならず、あらゆるものに寛次郎の息吹があることに。

 あ、あと写真がOKということにも(笑)






館内の至る所に、寛次郎が手がけたオブジェ、家具、しつらい。
こんなものまで手がけていたのかと驚くものがたくさん。

もちろん陶器も、そのデザイン画までも展示してありますし
蹴ろくろやテストピースも見ることができます。





何重にも連なる巨大な登り窯も見られます。

窯道具もそのままに静かに眠る登り窯は、
神が宿るような空気があって
ここであの作品群が生まれたのかと思うと、圧倒されます。




館内をゆっくりと行き来しながら思っていたのですが、
どうも、あの人の生み出すものや手を触れたものには
「生きているものの底力」みたいなものが含まれているような感じがします。

アニミズムに近いのかもしれません。



「好き嫌いは分かれるでしょうねぇ」

そう、京都の人たちには言われましたが、

ああいった空間には「好き嫌い」だとか「巧拙」だとか「品のあるなし」という言葉より、

何かの息吹を感じるか感じないかということの方が大きい気がします。


生み出すということのエネルギーと

正面から格闘してた人のような気がします。

個人的な感想ですが。




寛次郎が触れたであろう物に触れ、
寛次郎が居たであろう場所に居る。

ここは、エネルギーをすこし
お裾分けしてもらえる場所なのかもしれません。

 
来て良かったなと思います。

ちょっと内緒にしておきたいような気もします。

Atelierすゞり

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