芳名帳を堂々と

つい先日、福山市の中小企業家同友会青年部に
講師として招いて頂きました。

福山の会社の若手経営者が集まる会で、
私が経営の話なんて出来るわけがなく、
もちろんこの講座の内容は「書道」です。(当たり前か。笑)
とくに、今回は芳名帳の書き方を。

会の趣旨としては
「かっこいい経営者になるためには、芳名帳などの字も堂々と書けなくては」という
ことなんですね。

それ、同感です。

もちろん会社経営者でなくても、社会人として歳を重ねれば重ねるほど、
冠婚葬祭その他の会で芳名帳に記帳する機会が増えるのですが、
経営者という立場にあれば、なおのこと
"会社を代表して"書かなければならない場面も増えるんですよね。
その時に、先方や、会社や、社員や、周りの人やもちろん自分自身のためにも
きちんと記帳したいという思いはぜひ大切にしてほしいと思うのです。


そもそも、芳名帳というものの意味を
きちんと知ってもらうことも大事。

芳名帳は、会場に入る関所みたいな役割(笑)のものではなくて、
会の主催側に、「何処の誰が来たのか」を伝えるものなんですね。
当たり前ですが。
でも当たり前なのに、それをちゃんと意識してない人が多いのも事実。

何処の誰が来たのか相手に伝えるためには、
「読みやすく書く」ということが最も大事。

配置がめちゃくちゃだったり、
字が汚くて判別できなかったり、
逆に字体を崩しすぎてたり(草書体はなるべく控えましょう)、
住所などを省略してしまったり、
ということはなるべくしない。
それが相手に親切ということなんです。

このうち、"崩した字体(草書体)"については、
仮に自分が受け取る側だった場合、
それが読めなかったら相手を非難すべきことじゃなく、
当然読める知識があるだろうと思ってくださったことを光栄に思い、
自分の勉強不足を恥じるくらいの姿勢が大事ですけど。



普段、忙しくてなかなかゆっくり筆を持つ機会のない経営者の皆さんに、
なるべくゆったり、そして真剣に、筆を持ってもらう機会になればと思って
講座を進めました。
それから、日本の文化を誇りに思ってもらえればと思って。

すこしでも、芳名帳の文字がステキになってくれたらいいなぁ。
字を書くことを意識してもらうきっかけになったらうれしいなぁ(*'-'*)


ふふ。そうそう。大きな体の男性陣がずらっと並んで、
しかもちょこんと畳に正座して、
神妙な顔して書道してる姿はちょっと新鮮でした(笑)
(普段の教室は男女比が1:9くらいなのに、
 この日は9:1くらいなんだもの。笑)


芳名帳も堂々と書ける「かっこいい経営者」が増えますよう。

Atelierすゞり

美しい文字を。 美しい時間を。 美しい空間を。 The official website of Ayami NAKAMURA  [Atelier Suzuri]