極上ランチ

:極上ランチ



ランチは京都の名店、祇園にある「レストランよねむら」。
やっぱり今回の旅は重森三玲というテーマなので、
ちょっと贅沢がしたくなる。
「祇園さヽ木」「桜田」も行きたかったけれど、
それはまた別の機会にしよう。
何となく、重森三玲のモダンさに
よねむらの和食の伝統をふまえた創作フレンチは
ぴったり来るような気がする。

「よねむら」は京都の予約困難店としても有名。
シェフの米村さんは料理本(といっても、8,800円もする写真集です!)も出して、
その筋の賞を取ってたり。
とにかく注目を集めてる実力派。
桜の時期のよねむら、しかも6人の大所帯なんて予約は無理かな…と
ダメ元で電話したら電話の向こうで何やらやりとりが。
ややあって「お待ちしております」の返事があった。
ぎりぎりだったのかもしれない。

京都の古い民家を改装した店内。
入ってすぐに見えるオープンキッチンには
若いシェフ達がきびきび動いてて、気持ちいい。
この店、流れてる空気が明るくきりっとしている。
ランチはカウンターだと思っていたけれど
通されたのは二階奥の個室。
ガレの花瓶や現代作家の小振りな立体作品がさりげなく置いてあるし、
床の間にも現代作家と思しき絵が掛かっている。これもかわいい。
誰の作品だろう。聞けばよかった。
テーブルもおそらく作家もの。足のアールがきれい。
一つ一つ気に入ったものを置いてる感じがする。

メニューを憶えてる範囲で書き出してみたら、全9品。
記憶に頼ってるので細かいところ自信がないけど。

・甘鯛とシジミの味噌スープ仕立てカモミール風味
・丹波牛の焼きおにぎり風ワンスプーンディッシュ
・イイダコと春野菜とモッツァレラチーズのサラダ
・竹の子とホタテのオーブン焼き
・フォアグラのあんかけ茶碗蒸し
・ホタルイカとウニの冷製パスタフレッシュトマトのソース
・桜鱒のラタトゥイユ風ソース、鴨とねぎの串焼き
・じゃこごはんとお漬け物、一保堂の燻し焙じ茶
・季節のフルーツのコンポート

季節の食材をふんだんに使って
京料理の要素を盛り込んだ創作フレンチは、
日本らしい"はしりとなごり"などの美意識も感じられて
どの料理もセンスが良く、高いレベル。
器もそれぞれたのしい。
和食器からガラス、洋食器まで気の利いたものがたくさん出てくる。
ほんの少し惜しかったのは
最後のコーヒー・紅茶の出てくるタイミングが遅くて、
ちょっとぬるくなっていたこと。
ああ、本当に惜しい。
"あの"よねむらだからこそ、余計惜しい。
(がんばってよー、お茶係。)
だって、そのほかは接客も味も調度も、
とても素敵だったもの。

でもトータルで考えればかなりの高得点。
これだけのコースとワインで、一人8,000円。

これねぇ、正直、贅沢だけど安いと思うよ。
京都行く人にはオススメできます!

Atelierすゞり

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