月日星

最近、うちの周りではウグイスが鳴いている。
まだ少し鳴き方がへたくそで、
「ほーーーーー?けきょ?」
などどいうので、ちょっと笑ってしまう。
昔からウグイスは親に鳴き方を習うというから、今修行中なのだろう。

ウグイスの鳴き方と言えば、今は「ホーホケキョ(法、法華経)」というのが
一般的なのだけど、昔の書物を紐解くと
「ツキヒホシ(月日星)」とも聞き成している。
(厳密に言えば、ウグイスの声だけに当てはまる聞き成しではないけれど。)
"三光を鳴く"といい、
ウグイスは空にかかる月・日・星、全ての光を鳴く鳥だった。
「法、法華経」というちょい説教くさい聞き成しよりも、
ずいぶんと風情があるように思う。

空にかかる光。月日星。

そう、小さい頃から「月・日・星」の類、
いわゆる「天体」ネタは大好きだったのだが、
この間の『大人の科学(vol.9)』からまた熱がぶり返してきた。

お台場にある「メガスター」が気になってしょうがない。
メガスターというのは
ネスカフェゴールドブレンドもご推薦、
違いの分かる男・大平貴之が造った
世界随一のプラネタリウムの名前。

普通、夜に星空を見上げて肉眼で確認できるのは
10km先の獲物が見える何処かの部族でないかぎり
6等星くらいまでらしい。
ところが、このメガスターが投影できるのはなんと12.5等星まで。
ここまで来ると肉眼では確認できないし、
双眼鏡を使っても見えるか見えないか。
肉眼で見える星が1万個弱、メガスターが投影できるのは500万個。
見えない499万個の星を投影することに意味があるのか、という意見は
当然ながらあるらしい。
だが、大平貴之は言う。

「普通のプラネタリウムだと星の点々があって、
その点と点のあいだにはなんにもないんです。
メガスターだと星がいっぱいあってその星と星のあいだも少し明るいんです。」

肉眼で見えない星の存在感。
大平さん自身も言うように、ここまでくるとそれは『表現活動』の領域。
もう完全にアーティストの領域。
「星空の質感」をどこまで表現するか、ということになってくるもの。
"表現"を突き詰める姿勢はプラネタリウムというジャンルの「芸術」、
つまりモチーフを星空に求めた「芸術」なのだ。
そうやって人の手で表現された星空に、観る人は感動するんだから。
と、思う…よ。

あーーー、お台場行きたい。

Atelierすゞり

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